「がんばろう、日本!」国民協議会
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Index
□ 人権民主主義をダブルスタンダードにせず、
〝いのちとくらし〟を政治の中心に
●ガザ:即時人道的停戦を 国際人道法の上に立つものはいない
●「あきらめるわけにはいかない」から民主主義のイノベーションへ
- 東京&京都 囲む会望年会
- 小川淳也議員 昼食セミナーのご案内
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人権民主主義をダブルスタンダードにせず、
〝いのちとくらし〟を政治の中心に
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【ガザ:即時人道的停戦を 国際人道法の上に立つものはいない】
イスラエルによるガザ地区への空爆と封鎖が激しさを増すなか、国連総会緊急特別会合は、ヨルダンなどが共同提案した「人道的休戦」を求める決議案を賛成121、反対14、棄権44で可決した(日本は棄権)。カナダの修正案は、採択に必要な三分の二の賛成が得られなかった。
二つの決議案の違いは、ハマスのテロ行為の責任を明記するか否か。ヨルダン案はハマスを名指ししていないものの、「10月7日の攻撃以降の暴力の拡大」に「深刻な懸念」を表明しつつ、「テロ行為」を含む「パレスチナとイスラエルの市民に対するすべての暴力」を「非難」する、事実上イスラエルとハマス両方を批判している内容。他方カナダ案はハマスを名指ししている。
カナダ案に対してパキスタン国連大使は、「片方だけを非難するのは公平ではない」「イスラエルによるパレスチナ占領が問題の原罪だ」と主張。(グテーレス国連事務総長も、10月7日のハマスのテロは「理由もなく起きたのではない」と発言。)
イスラエルを全面的に支持するアメリカの拒否権行使によって安保理が行き詰るなかで、総会決議に拘束力はないものの、国際世論の一定の方向が示されたといえるだろう。東京23区の6割ほどの面積に200万人が押し込められている地域を封鎖し、水や食料、医薬品、燃料などの供給を断ち、病院や学校、住居を含め街そのものを壊滅させ、子どもを含む多数の民間人を殺傷する空爆は、明らかに国際人道法に反しており「自衛権」の名で正当化できるものではない。
ヨルダン案への反対が予想より少なかったことは、国際世論におけるイスラエルとアメリカの孤立を可視化したと言えるだろう。ヨルダン案には中東諸国のみならずブラジル、インドネシア、マレーシア、南アフリカなどのいわゆるグローバルサウスの国々も賛成している(インドは棄権、G7ではフランスが賛成)。
「民間人を守ることは、シェルターも食料も水も薬も燃料もない場所に100万人以上に避難指示を出すことではない。我々がガザで目にしているのは明白な国際人道法違反であり、私は深く懸念している。いかなる当事者であっても、国際人道法の上に立つものはいない」とグテーレス国連事務総長が訴えるように、国際世論の軸は、「対テロ戦争」や「アラブ対イスラエル」「親イスラエルか親パレスチナか」などではなく、「人道危機を止めろ」という国際人権をめぐるフェーズに移りつつある。
例えばスラヴォイ・ジジェクは、「私たちは、境界線をハマスとイスラエルの強硬派の間に引くのではなく、二つの極端な勢力と平和な共存の可能性を信じる人たちの間に引かなければならない」と述べる。それは人権の名の下に、反ユダヤ主義とたたかうと同時にパレスチナの権利のためにたたかうということだ。
「誰がテロリストなのかについては論争があるが、その背景には、過去数十年、辺獄状態に閉じ込められたパレスチナのアラブ人がいる。彼らの住む土地は、「イスラエル占領地」「ヨルダン川西岸地区」「ユダ・サマリア」なのか、あるいは、139カ国が承認して国連非加盟のオブザーバー国家として活動するパレスチナ国家なのか。イスラエルはパレスチナ人を、ユダヤ人だけが市民である「正常」な国家を建てることを邪魔する臨時の定着民であり障害物としてのみ取り扱ってきた。イスラエルは一度も彼らに手を差し伸べたことはない。
ハマスとイスラエルの強硬派はコインの裏表だ。私たちは、境界線をハマスとイスラエルの強硬派の間に引くのではなく、二つの極端な勢力と平和な共存の可能性を信じる人たちの間に引かなければならない。私たちは、二つの極端な勢力と交渉してはならず、代わりに反ユダヤ主義と戦い、同時にパレスチナの権利のために闘争しなければならない。
理想的な話に聞こえるかもしれないが、二つの闘争は同じ闘争だ。私たちは、イスラエルが自らをテロから守る権利を無条件に支持すると同時に、イスラエル占領地に住むパレスチナ人が直面する絶望的な状況に無条件に共感しなければならない。二つの立場に「矛盾」があると考えるのであれば、まさにその考えが、問題解決を事実上妨げることになるだろう」
(スラヴォイ・ジジェク リュブリャナ大学(スロベニア)、慶煕大学ES教授10/23 ヤフーニュース 国際)
また国際法や国際規範に対するアメリカのダブルスタンダードも厳しく批判される。イスラエルの子どもにもガザの子どもにも、すべての命に等しい価値があると。
「イスラエルは恐ろしいテロ攻撃に見舞われ、世界の同情や支援に値する。だが、民間人を虐殺したり、食料、水、医薬品を奪ったりする白紙の委任状を手に入れたわけではない。ガザへの人道支援のアクセスについて交渉しようとしたバイデン氏を称賛するが、課題は援助をガザに運び入れることだけでなく、それを必要な場所に届けることだろう。
長期にわたる地上侵攻は、私には非常に危険な道に思える。多くのイスラエル兵や人質、そして何よりガザ市民が殺されるだろう。我々はもっとうまくやれるし、イスラエルももっとうまくやれる。都市を壊滅させることは、シリア政府がシリア北部のアレッポでやったことであり、ロシアがチェチェン共和国の首都グロズヌイでやったことだ。米国が支援するイスラエルがガザでやるべきことではない。
この試練に対する最良の答えは、たとえ挑発に直面しても、われわれの価値観を貫くことだ。つまり、偏見にとらわれず、すべての命に等しい価値があるという考えを支持しようとすることだ。もしあなたの倫理観が、ある子どもたちをかけがえのない存在と見なし、他の子どもたちを使い捨てにしてよい存在と見なすなら、それは道徳的な明晰(めいせき)さではなく、目先のことにとらわれたあさはかな考えだ。イスラエルの子どもたちを守ろうとするために、ガザの子どもたちを殺してはならない」(ニコラス・クリストフ ニューヨークタイムス・コラムニスト 朝日デジタル10/29)。
日本は、「人道的休戦」を求める国連決議案に「総合的判断」から棄権した。国際人道法より上位に位置する「総合的判断」とは何なのか。日本はロシアのウクライナ侵攻を国際法違反として非難した。ならばイスラエルによる占領、封鎖・空爆も国際法違反として強く非難すべきだ。国際法や国際規範を方便にすり替えるダブルスタンダードに与するべきではない。
人類が多大な犠牲のうえに築いてきた国際規範を共有しようとする人々の声は、国境を超えて響きあいつつある。私たちもその一翼を担おう。
【「あきらめるわけにはいかない」から民主主義のイノベーションへ】
報道各社の世論調査で岸田内閣の支持率は一段と低下、発足以来最低を記録している。首相肝いりの「減税」も、「政権の人気取り」と見透かされている。一方で、政権の支持率が低くても選挙では低投票率なら自公の組織票が有利という状況が続いている。
「政治を変えたい」「現状をなんとかしたい」という思いを、あきらめたわけではない。社会からの声はむしろ大きくなっている。
例えば「13歳以下の子どもだけで留守番をさせたら虐待」などの内容を含む埼玉県虐待禁止条例の改正案。議会多数派の自民党県議団によって提出され委員会で可決、本会議の採決にかけられることが報じられると、「ほとんどの保護者が条例違反になる」などと全国から批判の声があがり、5日間で10万筆を超えるオンライン署名が集まった。署名を呼びかけたのは2人の子どもを育てている女性。批判を受けて条例案は取り下げられたが、SNSでは「やはりみんなで選挙に行かないとこうなる」という声も上がった。
オンライン署名数国内史上最多となる54万筆超の「STOP!インボイス」署名を集めたのは、夫とともにフリーランスで働く女性だ。彼女はSNSでこうつぶやいている。「この二年間、夫と子どもにとてつもない負担をかけた。離婚されても仕方ないほど、働かず、家のことも放棄した。感謝とともに、こんなやり方は間違っていると強く感じる。市民が、何も犠牲にせず、政治にアクセスできる道が絶対に必要」。
「政治を変えたい」「現状をなんとかしたい」という普通の人の思いや声は、むしろ広がっている。それを社会的に可視化することも、やろうとすればできないことはない。そこから政治的な変化へと結びつけることができるのか。これは端的に、投票に行かない50パーセントの人々をどう掘り起こすかという問題だ。
今年の統一地方選の総括視点として「小さなさざ波」ということを提起した(529号 総会報告)。統一地方選では、投票率が上がることで、民意の変化が選挙を通じた政治の変化として表れた。9月の立川市長選、10月の所沢市長選など、自公候補を破った選挙も投票率を上げている。自公過半数割れとなった宮城県議会議員選挙も、わずかだが投票率が上がっている。(複数の無所属を加えて過半数を維持する見込み。)自公には低投票率のほうが有利だし、維新では大阪でも投票率を上げられない。
これまで投票に行っていなかった人が投票に行こうと思うような訴え、選挙戦を展開することで、社会に潜在している「政治を変えたい」「現状をなんとかしたい」という普通の人の思いや声を、政治の変化に結びつけることが可能になる。すなわち社会問題や社会課題をともに考え、取り組むことと、選挙を通じて政治を変えることを両輪として民主主義をより機能させていく、そういう民主主義のイノベーションへの挑戦ということだ。
イノベーションとは「非連続的」な変化であり、それは「軌道の変化」と「担い手の変更」を意味するといわれる。
永田町の現在地を象徴するような写真が話題になった。内閣改造で副大臣・政務官に女性がはじめてゼロとなった前日、官房副長官の退任セレモニーの光景。官邸エントランスに集まった職員は、花束贈呈役の女性2人以外は全員が男性。
この光景を異様と思わないことと、国際人道法より上位の「総合的判断」とやらに疑問も異議も感じないところには、通底するものがあるのではないか。
この光景を報じた記者はこう記している。「政治部に配属されて4カ月余りが経ち、男性ばかりの光景もすっかり見慣れたと思っていたが、官邸エントランスで目にした男女比は衝撃だった。
・・・一方で、「女性ゼロ」に違和感を持ち、待ったをかける人がいなくても不思議ではないとも感じた。副大臣と政務官は各派閥の意向を踏まえて人選されているが、名簿作成の中心メンバーである官房長官、副長官、事前に報告を受けているであろう首相やその秘書官など、重要な決定をする際に関わる人たちは全員男性だ。
政治家であれ、官僚であれ、女性は母数が少ない。一気に幹部の数を増やすのは難しい、という主張は理解できる。それでも「女性ゼロ」に疑問を持ち、指摘できるような「当たり前」の感覚を持つ人が、官邸内に一人もいなかったことを残念に思う」(朝日デジタル 10/30)。
永田町と称される既存政治に、実生活の「当たり前」から「待った」をかけ、その「非常識」を転換していく。そのためにはジェンダー、人権、気候正義、ケアなど、これまで票にならないと言われてきた問題設定を政治の中心に置き、〝いのちとくらし〟のための政治へと軌道を転換させること。そしてこれまで投票に行かなかった、しかし政治や社会をあきらめるわけにはいかない人々を、新たな変化の担い手として登場させていくこと。
民主主義のイノベーションを推し進めよう。
(「日本再生」534号 一面より)
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第16回 総会【会員限定】
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11月23日(木・祝) 13時から17時
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所 プラス オンライン
統一地方選から補選までの主体情勢、中東危機、総選挙の展望についてなど・・・
オンライン参加については後日お知らせします。
リアル、オンラインとも【会員限定】
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東京・囲む会 12月5日 ゲストスピーカー・小川淳也衆院議員
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第216回 東京・戸田代表を囲む会【会員限定】
12月5日(火) 18時30分から
ゲストスピーカー 小川淳也・衆院議員
タイトル 未定(国会報告など)
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所
オンライン配信については、追ってご案内。
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東京・望年会
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12月17日(日) 16時から19時
「がんばろう、日本!」国民協議会 市ヶ谷事務所
会費 1500円(予定)
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第44回戸田代表を囲む会in京都
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11月14日(火)18:45~21:00 18:15開場
キャンパスプラザ京都・6階・第1演習室(JR京都駅烏丸口徒歩5分)
ゲスト:中西 寛 京都大学教授
テーマ : 世界史的な変動期という視点から「危機の時代」を考える
参加費 :2,000円
連絡先:℡075-692-2400 オンライン配信の申し込みは:sugihara@s5.dion.ne.jp 12日まで【会員限定】
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2023望年会in京都
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2023年12月15日(金)18:30~21:00
東華菜館本店(四条大橋南西詰)
ゲストスピーカー:川勝健志 京都府立大学教授
講演テーマ「脱炭素と持続可能な交通まちづくり」
会 費:9,000円(飲食代含む)
申込先:℡075-692-2400
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小川淳也・衆院議員 東京後援会 昼食セミナー
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久しぶりの開催となる、小川議員の「昼食セミナー」のご案内です。
11月20日(月) 12時から13時
ルポール麹町2F ロイヤルクリスタル
会費 10000円
申し込みは 03-3508-7621 または info@junbo.org まで 締め切り 11月6日
会費の支払いは当日または振り込み
振込先/りそな銀行 衆議院支店 (普) 0036389 東京小川淳也後援会 代表 宇都宮崇人(ウツノミヤタカト)
問い合わせ先 小川淳也事務所 03-3508-7621