第9回ローカルマニフェストコンテストで、政経セミナーが優秀賞を受賞
毎年開催されている、ローカルマニフェスト推進地方議員連盟(超党派の全国の地方議員約500人で構成)が主催する、ローカルマニフェストアワードの授賞式が、11月4日都内の六本木ヒルズで行われました。
全国規模で自治体の政策を競い、先進事例を学び合うために、今回は2200件を超えるエントリー(議会、首長、市民の三部門)の中から、議会部門で、私が7年間に渡り活動してきた「埼玉政経セミナー」(超党派の越谷市議と市民が母体)が優秀賞を受賞しました。
優秀賞には、他に自民党横浜市議団と民主党京都府連が受賞したのですが、この2団体は言わば優秀賞の常連組で、グランプリは自民党横浜市議団が予想通りに受賞しました。
しかし、政経セミナーの受賞は、基礎自治体の超党派議員と市民で2011年市議選の統一ローカルマニフェストを掲げて戦ったことや、選挙後政策を評価する市民検証大会を毎年開催したことが評価されたものです。
現在来年4月の市会議員選挙に向け、前回のマニフェストを基礎に、バージョンアップする「統一ローカルマニフェスト2015」の策定作業中です。
素案が出来たら再度さらに広く市民アンケート等で市民との共同作業で完成させていきます。
学生議員の質問は、エボラ出血熱対策に対する白川の個人見解を質すものだった
11月15日越谷市議会議場には、第3回学生議会の開催のため文教大学や埼玉県立大学を始め市内在住の学生が一日議員として議員席に、そして答弁席には議員が着席しました。
学生議員は、それぞれ市政のテーマを一般質問として、日常の議会運営と同じ形態で行います。
しかし通常は答弁席には市長を先頭に執行部が座るのですが、学生議会は議員が執行部に代わって答弁します。
このため日ごろは質問する側の議員が答弁をする側にいるのですから、答弁書は、執行部と綿密に打ち合わせを、事前に繰り返して作成して臨みます。
私の番では、埼玉医科大学1年生の女子学生から「エボラ出血熱の感染症対策について」の質問をされました。
一回目の答弁は、予定通りに事前に準備した原稿を出来るだけ丁寧に答えました。
(興味のある方は、越谷市議会ホームページで中継録画が見られます)
ところが、2回目の質問では滅多にないのですが、「感染症対策での危機管理と人権(感染者の管理や名前の公表などのプライバシー)と、どちらを優先するのか、白川議員個人の意見を聞きたい」と言うものでした。
当然ですが、予定の質問ではないので、原稿などは一切ありません。「基本的には人権思想を基本に考えるべきですが、危機管理をどこまですすめるのかは、その社会、市民の人権意識の深まりとの関係で判断して行くべきと考えます」とお答えしました。
議会終了後の議員と学生の懇親会でも、さらに説明したのですが、本人から「難しい問題ですね」との感想でした。ただ人権思想をこの年齢から考えていることに、元気を貰いました。
議員提出議案の「空き家等の適正管理に関する条例(案)」は、12月議会に提案
越谷市議会で初めての、議員提案による実効条例となる「空き家等の適正管理に関する条例案」の策定作業は、空き家等対策特別委員会(議会内7つの全ての会派代表で構成)で協議、策定して来ました。
このほど、約1年に渡る協議、作業が完了し、条例案への市民からのパブリックコメントも受付けた上で、今回12月議会に正式提案する運びとなりました。
条例制定の目的となったのは、地域で高齢化の進行とともに管理不全の空き家が増え続けており、防犯や火災、倒壊などの危険性の対処に、所有者が放棄してしまう事例への対応が求められていました。
しかし、行政の現在の対応では、最終的な強制代執行までは踏みきれない状況でした。
それは、個人の私的財産権を公権力によって介入、制限すると言う、シビアな問題だからでした。
ただ、このまま放置されれば、地域社会への深刻な影響を及ぼすもので、強制代執行は、当然慎重の上にも慎重を記しながら、運用することを前提に全会派が賛成して条例案を策定したものです。
ただし、全会派の賛成で制定を実現させたいために基本的な意見の違いもありましたが、まず議員提案の条例を策定し、議会の機能化を図ることで、次の議員提案型条例づくりに繋げようとしました。
今後条例が実現し、市長が運用を行う中で課題としては次のことがあります。
1、 この条例はあくまで管理不全の空き家対策であり、その空き家の利活用をどうするのか。(住民に必要とされる施設や場所として利用するなど)
2、 強制代執行を伴うものであり、所有者への補修、取り壊し費用等のため貸付制度等の必要性の是非。
3、 議員提案の条例からも、一定期間で実績を見ながら、修正、見直しを図ることを、条例に明文化することや、実態の議会報告の必要性。
第3庁舎は、ほぼ完成したが、会議室は依然外部の施設を借りることに
仮称第3庁舎は、来年4月の越谷市の中核市移行に伴い、約80名(その内の大半は保健所関係の職員)の職員増員による事務スペースの確保や、福祉部門を中心に相談室、会議室の不足等の解消のため、市役所中庭に建設されています。事業費は約20億円になっています。
また、新保健所の建設費は12億円で、これもすでに建設が終わろうとしています。
この第3庁舎は、1階から4階までに、福祉部門や産業廃棄物処理等を所管する環境経済部が移転することになっています。
ところが、当初移転対象となっていなかった市民税務部も移転することになったのです。
その理由は本庁舎整備審議会(有識者、議員や公募市民4名を含む19名で構成)が、その答申の中で現在の市民税務部門の区域を削り、そこに新本庁舎建設をするために移転すべきとの意見があった、と言うのです。
このため、事務スペースがさらに不足するため、第3庁舎の5階フロアーを全て会議室にあてているものの、これでは対応できず、以前と同様に外部の会議室を借りて対応する、と言う。
のです。
第3庁舎建設と本庁舎の耐震化を含む建て替えの課題は、最初からボタンの掛け違いが起きていました。
そもそも、本庁舎の耐震強度は、埼玉県内の庁舎の中で、ワースト1の劣悪な状態を、歴代
市長は認識しておきながら、問題を先送りし続けていました。
しかも先に中核市移行や現在の福祉部門のスペースの狭量を解消するとして、これまで一切事業計画になかった第3庁舎建設を突然言い出したのです。
このため、20億円もの事業費がかかる第3庁舎建設よりも、本庁舎の耐震化対策を最優先課題にして、一日でも早く本庁舎の安全を確保すべき、と再三再四議会で指摘、要望して来まし、対案も提起して来ました。
また、本庁舎整備審議会は、本庁舎のことだけを答申する目的だったので、第3庁舎と本庁舎建設を同時に協議すべき、と強調して来ました。(第3庁舎はテーマにはなっていないと、していたにも拘わらず、結局市民税務部門を第3庁舎に移転すべきと答申しています)
しかし、市長の意向は全く変わらず、議会でも自民党、公明党、民主党、清流越谷、共産党などが、市長提案に賛成したことから、事態はさらに悪化して、市民からこれこそが追認議会との批判があいついでいました。
結果は、会議室のスペースは確保出来ず、本庁舎の耐震化は6年後に予定されるなど、一日2000人もの市民の来庁者の安全は現在も担保されていません。