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「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

  • 不信に支配された危険な時代の始まり

そのなかで問われる民主主義のための戦いの新たなステージ

●「権威主義対民主主義」? 民主主義のための戦いの現在地

●人権を内在化する民主主義 社会的分断に抗する民主主義

  • 第九回大会第10回総会【会員限定】のご案内

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不信に支配された危険な時代の始まり

そのなかで問われる民主主義のための戦いの新たなステージ

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【「権威主義対民主主義」? 民主主義のための戦いの現在地】

 ロシアによるウクライナ侵攻による戦禍は、いまだ収まる可能性を見出せない。現時点では戦況が膠着し、戦争が長期化していく蓋然性の方が高い。またロシアによる核兵器使用や戦線の拡大(場合によっては第三次大戦)というリスクも、依然として排除できない。

どのような形で戦禍を収めることができるかは当面の最大の課題であるが、いずれにせよ、「冷戦後」と言われた国際秩序や国際関係には終止符が打たれた。始まりつつあるのは不信に支配された危険な時代であり、国際秩序の再構築には相当な時間がかかることを覚悟しなければならない。

国際法を正面から無視して隣国を蹂躙し、非人道的な戦争を行うロシアに対して、国際社会は一致して非難し、さらに自由主義諸国は結束してウクライナを支援している。力による支配に対抗する国際法や人権などの普遍的価値、それを求める国際的な言論は無力ではない。しかしこうした現在の状況から、権威主義諸国対リベラルな国際秩序という図式を持ち出すのは安易にすぎるし、ウクライナ侵攻後の国際社会を見誤ることにもなる。

――権威主義と民主主義の対決がいっそう強まるのでしょうか

 プーチン氏がいる限り、国際社会のロシアへの冷遇は続きます。これを「新冷戦」と呼ぶ人もいますが、体制を支えられるだけのイデオロギー的エネルギーが(権威主義陣営に)欠けているのが(米国とソ連が対立した)冷戦との違いです。

~中略~主義主張で分かれる冷戦とは違い、国際社会は緩く2極に分かれるのではないでしょうか。その周りに、どちらの極にも属さない国による、あいまいな領域が広がっていくでしょう。~中略~

――多くの国は制裁に参加していません

 そうです。ロシアに兵器(購入で)依存している国もあれば、食料や原発、エネルギーで依存している国があります。中国のマーケットが必要な国もあれば、援助を受けている国もあります。西側の説教臭さにへきえきしている国もある。

 ウクライナ侵攻後は、西側についてこない国々による、壮大な領域が広がる世界です。表現が難しいですが、「多中心」のような世界です。冷戦のように(東西に)きっぱり分かれていた時代の方がむしろ異常と言えるかもしれません。

 米国が中心を担う力も弱くなっている。米国が自由主義を守護する「化け物」のような力を持つ時代ではありません。米国が国際社会の手綱を握っていた第2次世界大戦後との違いです」(遠藤乾・東京大学教授 4/25朝日デジタル)。

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 例えば国連でASEAN諸国は、3月のロシア非難決議ではベトナムとラオスが棄権した以外は賛成したが、4月のロシアの人権理事会理事資格停止決議では、フィリピンとミャンマーが賛成(ミャンマーはクーデター前の国連大使が留任)、ベトナムとラオスが反対、残り6カ国は棄権だった。彼らにとって主権と領土の不可侵性は譲れないものの、欧米が説く人権や民主主義は時には内政干渉とも映る。(さりとて、中国流の権威主義体制が望ましいと考えているわけではない。)またインドやベトナムがロシア非難を控える背景には、中国に対抗するためにロシアから軍備を輸入していることにも留意する必要がある。

さらに言えば中東や中南米には、欧米によって自由や民主主義を掲げて政権を転覆されたり、「テロとの戦い」の名のもとに主権や領土を蹂躙され、無辜の人々が殺害された苦い経験がある。

こうした「西側についてこない国々による、壮大な領域が広がる世界」のなかに、人権や自由、民主主義などの価値をどのように共有していくのか。それは「権威主義対民主主義」という二分法では不可能だ。

バイデン大統領はウクライナ支援の最前線、ポーランドで「民主主義のための戦いは、冷戦終結とともに終わりを迎えたわけではなかった。この30年で、専制主義が世界中で復活したのだ」と演説したが、民主主義のための戦いを前に進めるためには、冷戦後の30年を民主主義の深化・発展の時間として使うことができなかったという反省と教訓が必要だ。

ポスト冷戦におけるグローバル化と新自由主義の礼賛は、民主主義の後退・専制とポピュリズムの台頭を招いたと総括されるべきだろう。西側先進国はITバブルやマネー資本主義に踊り、新自由主義の下で政治の領域は市場に明け渡されていった。ソ連解体後のロシアでは、国有財産の私物化をはじめとする「どろぼう政治」がはびこり、オリガルヒ(政権と結託した新興財閥)が跋扈し、汚職と腐敗が蔓延した。中国では社会主義市場経済の下でアジア型新自由主義(「世界4月号」梶谷懐 参照)が展開されている。

民主主義のための戦いは、その担い手たる主権者を不断につくりだすことにほかならない。それが伴わなければ、民主主義は専制や権威主義と地続きだ。言い換えれば、欧米流の民主主義に対抗して、「中国には中国の民主主義がある」とか「アジア的民主主義」などの言い方はできるかもしれないが、自由で民主的な社会の担い手たる主権者をつくりだすのか否かという点で、民主主義と権威主義は決定的に異なるということだ。

だからこそ、「私たちは退却せず、独立と自由を保たなければならない。降伏もしない。降伏するとは、ロシアの人々になることだ。従順で声を上げない。多くは無言で、もしくは声高に大統領を支持し、彼の決断やその結果には目を背ける――」(アンドレイ・クルコフ 3/16朝日)というウクライナの国民的作家の声は、自由や人権、民主主義のために戦う香港やミャンマー、タイ、台湾などの市民社会の声と響き合うのではないか。

独立と自由は主権者としての自己決定権であり、「欧米に押し付けられる」ものではない。非欧米世界にもこうした社会的基盤が構築されつつあるからこそ、その発展経路の多様性を前提に、人権や自由、民主主義といった価値をより内在化していくために何をなすべきか――と問うことではないか。

【人権を内在化する民主主義 社会的分断に抗する民主主義】

日本はウクライナ支援ではG7の一員として足並みをそろえているが、それにとどまらず非欧米世界とくにアジアにおいて、人権や自由、民主主義といった価値を内在化する〝仲間〟としての立ち位置が求められる。

しかし現状は、ウクライナからの避難民(難民とは言わない)は特例的に受け入れても、ミャンマーやロヒンギャ、クルドをはじめ保護を必要としている人々の難民認定率は極めて低い。また対ロシア制裁には参加する一方、ミャンマー国軍への制裁には及び腰。こうした姿勢では、アジアの中で自由で民主的な国際関係を発展させていく役割を担うことはできない。

「国軍からは侮られ、ミャンマーの人々からは不信を招く日本の曖昧な姿勢は、東南アジアにおける立場も危うくする。ミャンマー国軍はロシアを明確に支持している。それにもかかわらず国軍に融和的な姿勢を取っていてはダブルスタンダードだと見られかねず、周辺国に対しても示しがつかない。『日本は国軍にもっとプレッシャーをかけるべきではないか。ミャンマー政策を誤った場合、東南アジア全体における日本の戦略が再考を迫られかねない』(タイ・チュラロンコン大学のティチナン・ポンスディラック教授)」(日経ビジネスオンライン4/8)。

 アジアの国際関係・地域秩序は米中関係に否応なく規定されざるを得ない。そのなかで大国に命運を委ねないためには、地域諸国の間で「何を守らなければならないか」について共有し、連携することが不可欠だ。大多数のヨーロッパ諸国が一致してロシアに対抗してウクライナを支援しているのは、守るべき価値を共有しているからだ。そのような関係性をアジアの歴史的社会的条件のなかで、どのように構築していくことができるか。

 「21世紀初頭までの国際人権の歩みは、欧米諸国が中心になって・・・トップダウンで・・・担ってきたという印象が強い。~中略~国際社会がトップダウンで人権を守るというこれまでの考え方ではなく、非欧米諸国も含めた世界中の市民社会がここ数十年の間に身につけた『人権力』を発揮して、ボトムアップ式に・・・人権を守る取り組みを続けていく時代に入ったと考えるべきである」(「人権と国家」筒井清輝 岩波新書)。こうした歩みと〝ともにある〟という立ち位置こそが、求められているのではないか。

そこから考えれば、入管政策や社会包摂政策など、外国人の人権に関わる政策を国際水準並みに改善することは急務だ。また自由や人権を守るうえで、アジアにおいて〝なくてはならない〟国になることは、広い意味での安全保障にも資するというべきだろう(志田教授インタビュー参照)。

 

国際法を正面から無視して隣国を蹂躙し、非人道的な戦争を行う大国(国連常任理事国)に対抗するためには、一定の軍事力の強化もやむを得ないところがある。また経済制裁についても、「返り血」は覚悟しなければならない。(「ガスは高いかもしれない。でも自由はお金で買えない」エストニア首相。)だが何よりも必要なのは、そうした関与についての民主的な基盤だ。長期戦になればなるほど、そのための合意形成においては民主主義が試される。

フランス大統領選で決戦投票に進んだルペン氏は、プーチン大統領との親密な関係で知られる。ウクライナ侵攻後はロシアを非難するものの、制裁については「フランス人の生活に影響を与えない範囲で」との立場で、NATO軍事機構からの離脱も掲げていた。決戦投票ではマクロン候補が再選されたが、ヨーロッパの結束を支えるうえでの国内基盤の重要性が改めて示された。

党派対立が深刻さを増すアメリカにおいても、民主主義のための戦いの基盤は脆弱だ。バイデン政権も国内政策では党内に対立を抱え、今秋の中間選挙の結果いかんではトランプ再登場の可能性さえ取りざたされる。

ナチ党について、分極化ないし分断された社会のなかで、既存政党への抗議の意味で人々はナチ党に投票したという状況を指して「抵抗の国民政党」と形容されるという(板橋拓己

https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3981)。

民主主義はその担い手たる主権者を不断に生み、育て、次世代にリレーすることが伴ってこそ、自国第一主義やポピュリズム、排外主義、歴史修正主義など、民主主義を「内から」死に至らしめるもの(社会的分断)と戦うことができる。不信に支配された危険な時代だからこそ、この指針を見失わないようにしたい。

(「日本再生」516号 一面より)

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□第10回総会【会員限定】のご案内

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第10回総会【会員限定】を下記のように開催します。

ぜひご参加ください。

第九回大会第10回総会

6月5日(日) 13時より17時(予定)

オンライン(ZOOM) 

論題・仮 

「『無関心層に届く・届ける・伝える』 とは~選挙を変える活動の総括から」

(この間の「選挙を変える」活動の経験知を共有知へ 「一灯照隅」参照)

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越谷市議会 議員有志の会 6月市政報告
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