「がんばろう、日本!」国民協議会

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Index 

□  〝いのちとくらし〟――ジェンダー平等や人権、多様性といった価値観を共通の基盤に

●人権や多様性という価値をアップデートする 

――五輪のレガシーとは

● 「機能する政府」vs「機能しない政府」

――コロナ、五輪、ジェンダー、人権などをめぐって

□  第九回大会第七回総会【会員限定】のお知らせ

□  おすすめの映画

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〝いのちとくらし〟――ジェンダー平等や人権、多様性といった価値観を共通の基盤に

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【人権や多様性という価値をアップデートする  

――五輪のレガシーとは】

 緊急事態宣言のなか、東京五輪が開幕した。懸念されていた通り感染は急拡大し、東京都は医療機関に対して、通常医療や救急医療の制限も視野に病床確保を要請した。「2週間後に医療現場はかなり逼迫しますので、五輪選手であろうと五輪関係者であろうとなかろうと、そこで患者が発生したときにそもそもの受け入れが難しい可能性がある。そういう状況下で五輪が行われているんだと理解いただきたい」(埼玉医科大学総合医療センター 岡秀昭教授)という事態だ。

 何のため、誰のための五輪強行開催なのか。

コロナ禍での五輪開催について、IOCは「緊急事態宣言下でも開催」と言い放ち、菅政権は「国民の安全が第一」と言いながら安全の基準も示さず、説明もせず、専門家の提言を「越権行為」と切り捨て、世論に耳を傾けるポーズさえ示さず、「開催一択」で押し進めてきた。

ここから見えてくるのは、国民の〝いのちとくらし〟を賭け金に博打を打つ「イベント権力主義」だ。「菅首相はイベントによる政権浮揚に博打のように賭けてきました。IRもGO TOキャンペーンもその一環といえるでしょう。いわば『イベント権力主義』が、ここまで五輪開催に固執する理由だと思います」(牧原出・東京大学教授 https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/olympics-teigen-makihara)。

「不満や批判があっても、五輪を開催さえすれば国民は盛り上がる(政府の不作為や失政は忘れる)」というイベント権力主義の支持基盤にとどまるのか、あるいは自分たちの〝いのちとくらし〟を他人任せにはしない、という当事者性から新たな社会的な主体性を獲得していくか。コロナ禍と五輪でグダグダっぷりをさらけ出し続けているこの社会にどう向き合っていくか、が問われている。

「復興五輪」の看板を放り投げて「多様性と調和」というキーワードを表層的になぞっただけの開会式は、人権や多様性について周回遅れの日本社会の姿を世界にさらした。また気候変動や持続可能性、経済格差、SDGsなど、世界が共通に抱える課題に何ひとつビジョンもメッセージも打ち出せていないことも露呈された。この延長に〝五輪後〟を描くことはできるのか。問われているのは、私たち自身の社会や時代との向き合い方だ。

「決まった以上…」「今さら何を言っても…」と「なかったこと」にしてしまうのではなく、五輪であぶりだされたものを記帳し、清算すべき膿を特定することで、〝五輪後〟の新たな一歩を踏み出そうではないか。

今回あぶりだされたのは、なによりも人権や多様性についての軽視だ。女性蔑視の発言で辞任した森会長、演出の総合統括を務めていたクリエーティブディレクターは、女性の容姿を侮辱するような演出案で辞任(女性演出家の排除も)、開会式の作曲担当者は、障害を持つ同級生への虐待を雑誌のインタビューで笑いながら明かしていたことが批判されて辞任、公式文化プログラムに出演を予定していた絵本作家は、過去の教師へのいやがらせを理由に出演を辞退、開会式・閉会式のディレクターは「ユダヤ人大量虐殺」を揶揄した過去のコントを理由に開会式直前に解任。

さらに、日本で25年間活動しているセネガル出身アーティストが(見た目を理由に!)開会式のパフォーマンスから外されたことも明らかになった。また事前合宿中に失踪したウガンダの選手は、日本で難民申請の意思を示していたとされるにもかかわらず大使館に引き渡され、帰国直後から身柄を拘束されて安否が懸念されている。

これらすべてに共通しているのは人権の軽視だ。そしてここからは、ジェンダー平等や障害者の権利、マイノリティーの尊厳などを軽視・蔑視し、ときには「ネタ」として扱うことが「受ける」という価値観が透けて見える。バブル後の失われた30年、日本社会はこうした価値観によって構成されてきた。それが五輪を契機に、人権の国際的なスタンダードから失格を宣告された。

重要なことは、こうした「外圧」だけではなく、森発言にみられるように、これまでなら「失言」で済まされていたことが、もはやそれでは済まされないという輿論が生まれつつあることだ。ここからは「〇〇批判」や「被害者・加害者」の構図ではなく、人権や多様性の問題を「私たちの社会の問題」としてとらえ、共有しようという新しい社会的主体性の芽がうまれつつある。失われた30年の〝膿〟を出し切り、「誰かの人権が守られていない社会は、実は誰も人間扱いされていない社会です」(駒井知会弁護士)というアップデートされた価値観を共有することこそ、私たちにとっての五輪のレガシーではないか。

【「機能する政府」vs「機能しない政府」

――コロナ、五輪、ジェンダー、人権などをめぐって】

五輪の準備過程で私たちが目にしたのは、国民の〝いのちとくらし〟を守る意思も能力もない政府の実態だ。政府は、感染拡大が予測されるなかで専門家の意見も無視して「開催一択」に走り、ワクチン接種でも朝令暮改を繰り返して自治体の現場は振り回され続けた。

こうした状況は、第二次大戦中のインパール作戦(兵站を無視した杜撰な作戦で多くの戦死者を出し「無為無策の戦術」の代名詞として引用される)にも例えられたが、最後まで「有観客」での開催にこだわり続けた官邸、組織委に「無観客」を受け入れさせたのは、都議選の結果だったといえるだろう。

都議選では、五輪への対応も争点のひとつとされた。「中止」もしくは「延期」など、開催に否定的な会派(共産・立民・ネット)は127議席中35議席(改選前は共産・立民・ネットで27議席)。31議席を獲得した都民ファーストは「無観客」での開催を主張。五輪には触れずにスルーした自民・公明は過半数に届かず、自民党は第一党となったものの過去二番目に少ない議席で、総選挙に向けては「逆風」と言うべきだろう。

 背景には、少なくとも自分たちの〝いのちとくらし〟は他人任せにはしない、というところから見えてくる「機能する政府・政治」「機能しない政府・政治」という新しい視点が有権者のなかに生まれつつあることがある。

 そこから見ると、例えば三月の千葉県知事選挙は、災害時に機能しなかった森田県政と機能した熊谷千葉市政という構図が鮮明になってくる。また「(組織委などが何と言おうと)感染拡大に法律上の権限を持つ知事として腹をくくる」という大野埼玉県知事の姿勢と、「安心、安全」を呪文のように繰り返す菅総理の姿勢との対比も鮮明になる。

戸田  コロナ対策をめぐって「機能する政府」「機能しない政府」という新しい判断基準が有権者、市民のなかに生まれつつある。これは従来の「右、左」「保守、革新」「大きな政府、小さな政府」とは違う視点で、その基盤には〝いのちとくらし〟という価値観がある。

増子  コロナ対策をめぐる小池都政と政府との比較のなかで、「小池さんのほうが、がんばっているよね」ということはあったと思います。・・・個々の政策がどこまで認知されているか、ということとは別に、政府より小池都政のほうがコロナ対策に取り組んでいるということと、それを支え推進してがんばっている都民ファと一定認知されたことが、予想よりも「負けなかった」結果につながったと思います。(4―6面)

 都議選のもうひとつの注目点は、都議会の女性比率が三割を超えたことだ。三割を超えると、その組織のなかで公平な機会を得られるとされている。都議選での女性候補は過去最多の76人、そのうち41人が当選した。自民党男性議員が落選し、他党の女性議員が当選したり、都民ファでも男性が落選、女性が当選するなど「女性に投票したい」という流れがあった。「女性に投票したい」という流れができたひとつのきっかけは、2月の森発言だったとある女性候補(当選)は感じているという。

 「『その頃からもっと政治に関心を持って行動しないと、という女性が増えてきたと感じています。チラシ配りなどをしてくれるボランティア希望者も増えたのですが、多くが子育て世代の女性たちでした』。選挙期間中もチラシを受け取ったり、声をかけてくれたり、政策についてメールで質問してきたりする人の数は、前回の都議選よりもはるかに多かった。子育て政策だけでなく、『都立高校の男女別定員数をどう思うか』『選択的夫婦別姓についての考えを聞かせてほしい』というジェンダーに関する質問もあった。中にはIT企業に勤める男性から、『女性上司のもとで働いているが、もっと女性が活躍できる社会にしてほしい』と言われたこともある」(プレジデントオンライン 7/15)。

 ジェンダー不平等は男性vs女性の問題ではなく、〝いのちとくらし〟をめぐる不条理や不公正の問題であり、そこから「機能する政治」「機能しない政治」という視点が形成されている。

 こうした社会の変化、価値観のアップデートに政党や政治は追いついていけるか、が問われている。例えば、特定の割合の議席や候補者を男女に割り当てる「クオータ制」の法制化について、都議選アンケートでは自民党だけが反対。選択的夫婦別姓については、反対と回答した15人が全員落選したものの、当選者のうち34人が無回答でそのうち31人は自民党。都議の育休取得制度についても、自民党の31人が無回答だったという。

メディア各社がジェンダーや子育てといった質問を候補者アンケートに入れるのは、有権者が投票先を決めるうえで、経済対策などとならんでこうした問題が重視されているからだ。それに向き合う姿勢を持たない政治が淘汰されつつあるといえるのではないか。

 コロナと五輪を通じて見えてきたのは、ジェンダー平等や人権などをめぐって、私たちの社会に内在している〝膿〟と、同時に価値観をアップデートしつつある新しい社会的な主体性の芽だ。膿を出し切り、新しい芽をどう育んでいくか。

新しい酒は新しい皮袋に。〝いのちとくらし〟――ジェンダー平等や人権、多様性といった価値観を社会運動やその関係性の基盤に埋め込むところから、総選挙の争点設定を準備しよう。

(8月22日開催の総会〈会員限定〉の問題設定にかえて。)

(「日本再生」507号 8/1 一面より)

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第九回大会第七回総会【会員限定】を、以下のように開催します。

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8月22日(日) 13時から17時

ZOOMにて(事前登録制)

詳細は追ってお知らせします。

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おすすめの映画

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●ドキュメンタリー映画「東京クルド」 緊急公開 7/10より

ドキュメンタリー映画『東京クルド』公式サイト|日向史有監督作品 (tokyokurds.jp)

入管法改悪は阻止したが、彼らの過酷な現実は変わっていない。

「無間地獄」は阻止したが「地獄」はそのまま、とは駒井知会弁護士の言葉。

●サンマデモクラシー

『サンマデモクラシー』公式ホームページ (sanmademocracy.com)

米軍の占領下にあった沖縄で、ひとりのおばぁが起こしたサンマの関税に関する裁判を入口に、自治権をかけて統治者アメリカに挑んだ沖縄の人々のドキュメンタリー。

自治や民主主義が問われているのは沖縄だけではない。

●パンケーキを毒見する

映画『パンケーキを毒見する』| 7.30(fri)Roadshow (pancake-movie.com)

映画「新聞記者」を手がけた河村光康氏によるシニカルな視点の政治バラエテイ映画。

総選挙に向けて制作・公開のスケジュールを組んだ。

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越谷市議会 議員有志の会 6月市政報告