18歳への選挙権の引き下げを契機に、更なる主権者教育を押し進める
早ければ来年の参議院選挙から、18歳まで選挙権が引き下げられる事になります。
これにより、18歳と19歳の全国240万人が対象となり、現役高校3年生の半数が選挙権を持つことになります。
これは、昭和20年に男性の25歳以上から20歳以上に引き下げられて以来70年ぶりの改正となります。また、女性には歴史上初めて20歳以上に選挙権の行使が出来る様になったのです。
本年は戦後70年目の節目であり、越谷市では4月1日から中核市に移行するなど歴史的、社会的、政治的な区切りとなっています。
総務省が所管する「常時啓発事業の在り方研究会」最終報告書によれば、「社会に参加し、自から考え、自ら判断する主権者を目指して」~新たなステージ「主権者教育」へ~と題して将来を担う子ども達にも、早い段階から、社会の一員、主権者という自覚を持たせる、と明示しています。
また、平成24年12月には、今後の道徳教育の改善・充実方策について、「社会の在り方について多角的・批判的に考えさせたりするような、シティズンシップ教育の視点に立った指導も必要となる。特に小学校高学年や中学校では、現実社会で顕在化している生命倫理や情報倫理など多様な価値観を引き出せるように、もっと積極的に活用されるべきだ」としています。
そして,平成25年には中教審答申の中で「多様な価値観の、時には対立がある場合を含めて、誠実にそれらの価値に向き合い、道徳としての問題を考え続ける姿勢こそ、道徳教育で養うべき基本的資質である」と指摘しています。
これは、旧来までの道徳教育に象徴される様に”読みもの道徳”から”考える道徳””論議する道徳”へと質的転換を図ろうとしています。
この様な、言わば急激な変化は、政治の役割が、拡大するパイを分配することから、不利益を公正に分かち合うために、多様な意見の合意形成に変化している事が大きな背景となっています。
具体的には、小学校中学校プログラム「リーダーの公平な選び方~くじ?じゃんけん?選挙?」「誰が市長にふさわしいか~模擬投票を通して選挙について考える~」など有権者教育のための新しいカリキュラム等も発表されています。
また、子ども達への主権者教育は、当然これを進める大人の中にも不可欠であり、”考える市民を育てる事”が必要となります。
「考え続ける市民」は、3,11東日本大震災以来、昨年の衆議院選挙の低投票率にも拘らず、「それで、これからどうなる」と選挙投票日以降でも、その関心は終わってはいなのです。
4月の統一地方選挙では、この「考え続ける市民」が、マニフェスト型選挙に反応して頂けるものと期待していますし、そのための活動を今後とも取り組んで行きます。
東京電力は福島原発事故の放射能対策費に伴う、越谷市の請求にゼロ回答
越谷市を含む周辺5市1町で構成する埼玉県東南部地域放射線対策協議会が、本年1月29日に東京電力に請求していた「福島第一原発事故に伴う放射線対策に要した費用」3億4644万203円(この内越谷市請求分は6882万4287円)への回答が2月27日にありました。
東電の原発事故によって越谷市は放射能に汚染された空間や食材の検査、除染、測定器購入等の対策をとってきており、事故がなければ1円の費用の捻出はなかったはずです。
ところが、東京電力は、これらの事情を十分承知しておきながら、今回ゼロ回答をしました。つまり、支払請求を拒否したのです。
理由は自治体の賠償請求の対象項目が、東電の支払い対象ではない、と言うものです。
これだけの事故を起こしたにも拘わらず、対応が極めて不誠実であり、反省していません。
埼玉政経セミナーは、4月市議選にむけ市民アンケートを実施
埼玉政経セミナーは、超党派の市議と市民が共同して、4年前の市議選マニフェストを策定、選挙で共通公約として市民に約束し、任期4年間に毎年市民検証大会を開催し、進捗状況の説明責任を果たして来ました。
この地道なローカルマニフェスト運動が評価され、昨年11月マニフェスト大賞優秀賞を受賞しました。
これを弾みに、本年4月26日実施の市会議員選挙にむけ「みんなの越谷マニフェスト2015」の素案を策定しました。
今回も議員や予定候補者、市民による3つのプロジュクト会議を何度も開催し、練り上げて来ました。この第一次草案の発表会を1月19日に開催しました。
マニフスェストは、その内容の整合性や実現性が極めて大切ですが、その策定過程に市民がどこまで参加するのかが、更に重要となります。
このため、政経セミナーの会員にも市民が多く参加し、議論や調査を担っていますが、さらに多くの市民が参加して完成させるため、3月10日に新聞各紙にアンケート用紙を織り込みました。
「越谷市内全地区一斉アンケート」と題して、みんなの越谷マニフェスト2015を題材にまちづくりへの市民の声と参加を呼び掛けています。
越谷市は道路照明灯約7,800灯をLEDに変換する
越谷市は、市内全域にある道路照明灯約13,000灯に内、7,800灯を経済性や維持費及び環境面の視点でLED照明に変換する事にしました。
平成27年8月から平成28年2月までの予定で、残り4,700灯も順次切り替えのため調査も進めます。リース契約方式(120ヶ月)を採用し約6億円の経費となります。
導入される効果は、①電気料金が35%の削減②維持管理費が60%の削減③CO2排出量760トンの削減などです。
LED灯は、水銀灯と比較すると灯具消費電力が25%ですみ、ランプ寿命が12,000時間から60,000時間と5倍となっています。
小中学校へのクーラー設置費35億円か洋式トイレへの改修費15億円か、優先順位をつけるべき
越谷市教育委員会は、全ての小中学校へのクーラー設置にむけ、平成27年度予算に小学校を対象に空調設備設置事業の設計委託料3800万円を計上しました。
全体の設置費用は約35億円となっていますが、先般所沢市ではクーラー設置を巡り、その是非を問う住民投票が実施されました。
また、千葉市ではクーラー設置を求める市民請願が議会で不採択となり、千葉市長もクーラー設置には反対の姿勢を明確に打ち出しています。
それは、僅か一か月の暑さ対策のため、数十億円もの税金投入の是非であり、むしろ教員の増員配置等の方が優先されるべき、との考えからでした。
越谷市でも、市長選挙の公約によりクーラーの設置が約束されていますが、同時に洋式トイレの完備も公約されています。
クーラーの設置費用は、約35億円であり、洋式トイレへの改修費は約15億円ですが、同時に進めるには財政の負担が大きすぎます。
しかも人口減少時代に入っており、小中学校の統廃合の計画策定が必要な状態です。
右肩上がりの習慣のまま、現在必要だから借金しても対応すれば。その借金は結局子ども達への負担として覆いかぶさるのです。
現状最適から将来最適へ、部分最適から全体最適へ、その選択肢を市民自ら判断し、選択する“場づくり”が必要です。
クーラー設置や洋式トイレ改修、将来の学校環境を含めて、市民全体の熟議が必要です。
しかし、市長は第三庁舎や本庁舎建設における市民参加の無視や説明責任の放棄など、その姿勢に市民合意の方向が見えて来ません。