一心太助の天秤棒_2021年3月-86

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高校入試に向かう、男子中学生と

今朝の駅立ちは、大袋駅西口なので午前5時30分前に、自宅を出て午前6時から市政レポートの配布を開始した。

3月を目前にしているので気温は段々上がって来ており、明るくなるのも午前6時30分頃に変わりつつある。

 午前7時頃少年の一団が三々五々集まって来て、談笑していた。制服姿やスポーツウエアー着で5,6人だ。その内制服着の少年が一団を笑顔で離れながら右手を上げてがんばると言った事に対して、皆ががんばれよ、とエールを送っていた。何をがんばるのだろうと、思いながら市政レポートの配布を続けているところに、身長が1メート80センチもあろうかと思えるスラットした少年が、笑顔で近づいて来て、右手を差し出した。

直ぐに市政レポートを渡しながら、随分大きいけど、高校生?と尋ねた。するといいえ、中学3年生との返事。そう、高校生かと思った。今日は何があるの、と私。今日は高校入試の日です、と。そうか入試なのか、どこを受験するの、と私。春日部東高校です、との返事。そして肘タッチを求められたので当然タッチして、穏やかな日に受験となったのは幸運だから、しっかりがんばって、と送り出した。更にもう一人の少年ともタッチを交わした。どうして進んで市政レポートが欲しかったのか、見事合格した後電車通学だろうから聞く楽しみの機会が与えられた朝となった。

本日から市議会代表質問が始ったが、大きな問題が

この日は、午前10時から3月議会で6会派の代表者による市長や教育長に対する、向こう1年間の市政運営の視点や重点事業に対する、代表質問が始まった。そのため、駅立ちを午前8時30分過ぎに終了して直ちに電車で市議会に向かった。

本会議所では、自民党から順次代表質問がはじまったが、今回から質問時間が1時間と半減となっているため、内容は兎も角全く時間が足りない。何故こんな事態になったのか。

昨年の12月議会での一般質問の質問時間を自民党の動議で採決し、旧来の2時間から1時間に半減させた。更に今月3月議会の代表質問も同じように公明党の動議で2時間から1時間に削減された。(どちらも議員の質問とそれに対する市長等の答弁を合計した時間)

この件の協議は越谷市議会の議会運営委員会で論議されて来たが、これまで市議会の40年来の方法は、出来うる限り全会一致に力点を置き、どうしても各会派の一致が見られない場合は継続審議か議題の打ち切り等で採決を行うことに全会派が配慮、尊重して運営されて来た。

ところが、昨年12議会では意見の一致が見られないとの理由で、採決が行われて一般質問は半減、(自民党、公明党、維新が賛成)今回3月議会も同様に採決が行われて代表質問が2時間から1時間に半減された。(自民党、公明党、維新、刷新クラブが賛成)立て続けに、これまでの運用とは全く異質のしかも僅か数か月で2度の採決を自民党や公明党が提案する異例の事態となった。

特に今回動議を提出して賛成の議決をけん引した公明党の賛成理由は次に様な内容だった。

①般質問が1時間制となったため、代表質問もそれに合わせて1時間とする。

②緊急事態下のコロナ禍対策のため、議会の開催時間を出来うる限り短くする。

③コロナワクチン接種等、執行部の作業、取組の軽減を図る。    

これら3点の理由に私は一切の同意をしない。

その理由は、まず①に対しては、代表質問と一般質問の性格の違いである。

一般質問は市政全般にわたり個々の議員が個々の問題意識でテーマを取り上げて市長や執行部に質問するもので、希望すればどの議員でも資格があるが、議決行為とは一切関係がない。(3月議会では、代表質問のみで、一般質問は出来ないルールになっている)
一方代表質問は、3月議会に限られており市長や教育長の施政方針演説や、当初予算案等に対して会派を代表して質問するもので議案や条例に対しての議決行為に大きな影響を及ぼす。(特に予算特別委員会での審議や議決の前に行われる事から、その質問や答弁を含めて予算特別委員会での質疑、採決に影響する。勿論各会派の代表質問の内容にもよるのだが)
また8人の自民党会派でも1人の維新の会派でも代表して1人が代表して質問するので、6会派で6人と限定されている。従って、一般質問が1時間だから代表質問も1時間でいいとする理由は、会派を代表して質問することを全く理解していと思われる。

第②に対しては、すでにコロナ禍は1年以上にも及び終息を見せていない。

だから人類史上始めての事態に遭遇して市民は勿論、執行部も試行錯誤が続いている。しかも政府の指針は後手、後手の連続となっている。この状況に対して市民の不安や心配、今後の見通し等、多様な民意を反映できるのは議会以外にはない。
何故なら議会こそ立場や意見や思考が違う31人もの議員で構成されており、しかも常に市民と日常的に向き合っているのだから、その民意を公式な場で表していく機会を短くすることは、その民意を限定的にした反映出来ないことになってしまう。

代表質問を短くすることでコロナ対策がとれるのだろうか。

結局市長にお任せ体質が危機の時ほど鮮明になると言う証左でもある。危機時には、公式の議論の場の回避や説明責任を果たさず、中央集権的な政治指針がはばを聞かせる事は歴史的にも検証されており、今回も同様な事態が政治だけでなく、社会のあちこちで表出している。

第③については、②で述べたが市長・執行部も初めての体験となっており、しかも市民の「いのちとくらし」の問題に直結するため緊張感も多いだろう。だからこそ議会からの市長の施策への検証や提言をむしろ聞く場として重要視しているはずだ。たかだか6人で2時間合計12時間をその半分にしたからと言って負担の軽減につながるというのはあまりにも稚拙としか言いようがない。最後に議会運営委員会の役割と任務は、議会の運営のルールを時代や社会の変化に応じて対応して協議、決定して行くことだ。

会派の人数に応じて議運の委員も割り振られおり、言わば議会全体の意思を確認する場でもある。(最も無所属の私は除外されてはいるが)議員や会派、政党の関係性からその理念や政策やイデオロギーを離れ、あくまで議会内のルールを改善、決定して事を目的としている。そのため40数年にわたり議会運営委員会では全会一致をめざし、採決を避けて出来うる限り熟議を旨として歴史を築いて来た。

当然と言えば当然であり、もし多数派が自分たちに有利なルールを多数決で議決することが通例になれば、一切少数派の意見が議会ルールには反映されない事になる。その結果、常に多数派(今回の場合、先の選挙結果で構成された会派、自民党、公明党、維新、刷新の会の多数派)の意向がルールを支配することになる。

これでは民意の多様性が反映する議会の存在その物までも否定することに繋がりかねない危険性をはらんでいる。

重ねて言うが、僅か3か月の中で2回も事実上の強行採決を実行した、自民党や公明党には再度事態の重大性を是非、再認識してもらいたい。 (2月26日・金曜日)

代表質問の問題点は、私の公式ユーチューブチャンネル(約10分)で視聴出来ます。

白川ひでつぐyoutube公式チャンネル  
緊急事態下で進行する議会機能の停止