一心太助の天秤棒_2015年3月①

予算特別委員会特集号~私の質問から~

子宮頸がんワクチン接種者、平成26年度は一人。事実上中止状態
越谷市議会の予算特別委員会が、3月3日から9日まで開催され、平成27年度予算案の審議が行われ、私は10人の委員の一人として質問をしました。
 その中で、子宮頸がん予防ワクチン予防接種問題を取り上げました。
この間、安全性や有効性、必要性の視点から問題視して来たこのワクチン問題は、中学1年生から高校2年生の女子を対象として接種が続けられていますが、これまで僅か2年間で副反応の事故が続発していました。越谷市でも不幸な事故が起きています。
越谷市は国に先行して平成23年度から、独自にワクチン接種を全額市費負担で開始しています。
国はこれより2年遅れて平成25年度から定期接種(個人負担分の16,200円全額を税金で賄う)を始め、各自治体に積極的に接種を勧奨して来ました。
ところが副反応が続出したことから、平成25年6月14日には、この勧奨を控えるように各自治体に通知しました。しかもこの2か日後の6月16日には「長引く広範囲の体の痛みも記載するよう」に製薬会社に指示をしています。
この様な状況にも拘わらず、越谷市はワクチン接種を続けています。
平成23年度の初回接種者数は、5、976人(接種率75,1%)だったのですが、国の定期接種となった平成25年度には494人(31,6%)となりました。
副反応が全国で1、968件も発生(その内重篤な症例は357件)した事や勧奨抑制の影響のため、平成26年度の接種者は、何と1人で接種率は、0,1%となりました。
平成27年度の予算計上では20人の予定となり、事実上接種は中止状態となっています。
 執行部は、「自分達は専門家でないので、国の専門機関に準じて来た。これからも国の動向を注視して行きます」と答弁され、中止をしていません。
しかし、自治体は市民の健康特に子ども達への施策では、慎重に慎重を重ねなければなりません。
職員が専門家でないことは事実ですが、その専門家の知見を集め判断し、公正な情報を市民に提供して行くことが、行政の責任と役割です。
ましてや、市民はワクチン接種への情報を取集するにも限界があるのです。
また、子宮頸がんを早期に発見するための健診体制の強化は、当然必要であり、更なる施策を要請しました。
平成26年度では、8900人(受診対象者107、587人、8,3%)となっており、自己負担は1000円ですので、積極的に受診をして下さい。

せんげん台駅東口広場の改修工事は、後期基本計画に計上される
せんげん台駅東口前の広場の利用に関して、この間何人もの市民の方から、私は陳情を受けて来ました。「大きな横断歩道が入口にあり、歩行者の安全が確保出来ない」「バスやタクシーの往来が激しい」「一般車両が駐停車で混雑する」「タバコの喫煙所からの煙が迷惑だ」「激しい雨で、道路が冠水してしまう」「土曜、日曜日に自転車が広場中央に沢山駐輪されていて、歩行に差し障りがある」「ムクドリの対策を強化して」等多くの市民やタクシー運転手の方からの声が寄せられました。
このため、市では平成27年度予算案の中で、せんげん台駅東口の設計委託料500万円を計上しました。
今後、駅利用の市民、商店主、自治会、越谷北高校生、鉄道会社など多様な市民の意見聴取を積極的に進めていく、との答弁でした。
これを基に基本計画、実施計画を策定予定です。

平成27年度予算額は、1700億円超で史上最高額を更新。これで5年連続の
最高額に

市長から提案された平成27年度予算額は、一般会計で860億円、特別会計(国民健康保険、介護保険、下水道会計、土地区画整理事業等の9会計)711億円病院事業会計110億円の合計1700億円超とり、前年度比6,8%もの増額となっています。
しかし、一般会計の約50%を占める市税の内、その半額に当たる個人市民税は、191億円で1,3%しか伸びていません。法人市民税は27億円でマイナス3,5%にもなっています。
これを平成25年度の決算ベースと比較してみると、個人市民税は192億円で、平成27年度予算額が1億円も少なくなっています。
これは、何を意味するのかと言えば、そもそも一般会計の税収の基幹である個人市民税の動向こそが、市政経営のポイントとなる指標なのです。
すでに年功序列型賃金体系は、民間では崩壊しており、これを前提として、市民の8割を占めるサラリーマンの給与に課税される個人市民税の増減が決定的となります。
人口構成比の最も多い団塊世代が現役を引退し、生産労働人口の減少が少なくとも、これから30年以上は続く中、納税者の絶対数の減少は不可避です。
すでに団塊世代は全員65才以上の高齢者となり、更に75才以上の後期高齢者になる2025年問題が指摘されています。さらに子育て世代や若者の給与は、年収200万円以下が多くを占めており、しかも非正規雇用で不安定となっています。
この様な状況を、30年、50年先を見通した市政経営の視点から見れば、累積債務の解消のメドもなく、拡大予算を続けた上で、予算要求額が当初予算額より200億もオーバーしてしまうのは、一人市長さんの責任だけでなく、市民が負担と受益を考えない”陳情型、要望型”の体質を変えようとしないことにも大きな原因があります。
身の丈にあった暮らし方、物質的な豊かさより、地域社会での人と人の関係性こそが幸福のバロメーターとなる人生観に転換しましょう。

公共施設の建て替えに、2472億円が必要。しかし、1940億円しか捻出出来ず
越谷市の公共施設の半数は、建設から40年以上たっており、このまま更新で建て替えると計画すると、今後40年間で考えた場合、直近5年間平均の投資的経費をそのまま毎年使えると仮定しても、公共施設は2,472億円必要となります。
しかし現状では、1,940億円しか捻出できず、都市基盤施設は3,199億円必要となるのに1,548億円しか捻出できないということになります。さらに人口減少による税収減が進行して行きます。
このため、公共施設総合管理計画が策定され、目標1:建物の総量の縮減 保有する建築物の22%以上を減らす目標2:建物の長寿命化 建築物を80年以上使用する、とすることを決定しています。
 当然、保育所や小学校を始め、様々な公共施設の統廃合が始まりますが、これまでの特定団体や地域のために施設建設を続けて来た思考とは全く逆のことを実行しなければなりません。
直接的な利害関係者の調整と納得がなければ統廃合は実現しないのですから、行政は、市民への情報公開、選択肢の提案が必要になりまた、市民同士の話し合いなど、合意形成も行政まかせというわけには行かなくなります。

市長の下に教育長が存在する事は、政治の教育への介入に繋がらないのか
教育委員会制度が60年ぶりに改正されました。現在は市長部局と教育委員会と同格の組織、運営になっています。これは戦前の軍国教育の反省や教育への政治介入は国家や社会の発展を阻害するとの考え方でした。
しかし、今回の改正で、市長の教育行政への権限が更に大きくなり、現行でも予算編成権を始め市長権限が大きいにも拘わらず、さらに強大な権力行使を可能にしてしまうものです。