~前の籠には責任を、後の籠には信頼を、肩に担いで売り歩く~
越谷市議会議員 白川ひでつぐ
放射線の被ばくは、学校、保育園、ごみや下水道の焼却灰など生活の全てに影響している
越谷市は市内の空間放射線量測定を6月15日から実施し、小中学校、市立保育所、公園など156か所を終了しました。
業者委託によって測定を続けていたものです。市は空間測定機器を当初購入予定の9月から10月にずれ込んだものの、急きょ測定器を借り受けることができ、9月26日から9月30日までの期間私立幼稚園26園、私立保育園14園の合計40園の空間測定を実施する事になりました。
また土壌中の放射線物質調査も市内13地区から選定し、小学校13校、保育所11か所、公園13か所の合計37か所を9月27日から実施します。
測定結果は市のホームページで公表します。私の9月議会での質問でも指摘し、6月議会でも市長にお願いした民間の幼稚園、保育園での測定に素早く応じて頂きました。
さらに土壌中の測定は当初市長答弁では市内13か所を予定しているとしていましたが、質問では市民団体の独自の土壌調査を参考に挙げ測定場所を増やして頂く事もお願いしましたが、これも早速37か所の対象となりました。市長の素早い対応に心より感謝したい。
さらに本年10月初旬には小中学校給食の食材についても市独自の測定が予定されており、次々と施策が取り組まれています。
これらの施策の決定者は市長や教育長である事は当然なのですが、3月11日以降大きな変化が市民意識を変え「選択をするために行動する市民」が登場している事が影響しています。 先般の明治公園での6万人の市民が参加した「さよなら原発1000万人アクション市民集会」では、その参加人数もさる事ながら旧来型の既成団体や労働組合の旗が林立する集会とは大きく違って来ています。
言わば普通の市民がそれぞれのスタイルで家族連れで参加し、アピールする姿も多様性にとんでおり、大変目立っていました。
この事は越谷市周辺の議会で6月越谷市議会を皮切りに春日部市、吉川市、三郷市でも次々と放射能から子供たちを守る市民請願が採択されている事実からも証明されています。
これまでの市民請願では一部の政党や議員の賛成に留まっていたものが一気に議会全体での採択となっています。
先日東埼玉環境資源組合で越谷市選出の組合議員私を含む6人全員(超党派)で、ごみの最終処理の勉強会を開催し執行部の説明を聞きました。
この間飛灰(可燃ごみを燃やした後には下に貯まる主灰と上に貯まる飛灰の2種類がある)の放射線問題で東埼玉環境資源組合から秋田県大館市への搬入がストップしています。
大館市では全国の自治体から最終処分を引き受けており、越谷市もこの間陸送で搬入を続けていました。
しかし流山市の飛灰から基準値を大きく超える放射線量が出たため関係自治体からの受け入れが中止されてしまいました。
このため市では毎日30トンもの飛灰を7月から一時的に保管せざるをえず、現在施設内での仮置き場が10月末で満杯になる予定で深刻な事態になっています。
東埼玉環境資源組合では他の処分地を必死で探しているものの全部を引き受けて貰える場所は今のところないそうです。
また越谷市が搬入処分している公園や道路での刈り草や剪定枝も、堆肥用に再利用していましたが、これも基準値を40倍も超える放射線量により資源組合への搬入が7月からストップしています。これも今日いまだに許可されていません。市民個人の剪定枝などは今まで通り焼却していますが、これを燃やせば放射線量が増えることに繋がっていくことにもなります。
さらに下水道の汚泥焼却灰も、高濃度の放射線値のため8月4日時点で中川水循環センターに918トンも仮置き場で保管されています。つまり最終処理のめどがたっていません。
これは戦後の大量生産、大量消費、大量処分という社会の運営原理が、今回の3,11大震災によって大きな転換点にある事を自覚せざるを得ない事実です。市民のライフスタイル、価値観、文明の選択が問われています。