「がんばろう、日本!」国民協議会
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Index
□ 「森発言」と、それをめぐる動きについて
□ 3.11から十年 原発ゼロ、自然エネルギー100 世界会議
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「森発言」と、それをめぐる動きについて
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発言が女性蔑視だと批判を浴びてオリ・パラ委員長辞任に至った「森発言」問題。
失言→炎上→謝罪→幕引き、というお決まりのパターンで消費してしまうことなく、民主主義や人権をめぐって考える材料にしていきたいと思い、視点を提起します。
周りの人たちと話し合うきっかけになればと思います。
①森さんは「失言」したのでしょうか。違うと思います。オンラインで公開されていること、マスコミもいること、「うかつにしゃべると・・・」とご自身も言っています。またご本人に、女性を差別する意図はないでしょう。むしろリップサービス(女性に対しても)のつもりだと思います。
ここに問題の根深さがあると思います。14日の総会で女性議員が口々に言っていたように、下劣なヤジや「黙れ」といった圧力は、さすがに少なくなったとはいえ(草津町議会のように、議会がセカンドレイプをするようなところもありますが)「話が長い」「何を小さいことをクダクダ言っているんだ」という雰囲気、居眠りなど話を聞こうとしない露骨な姿勢など、無言の圧力はいまだに日常です。(日常生活や仕事の面で、多くの方も経験はあると思います。)
「ここにいるみなさんは、そういうことはなくて、わきまえておられる」(リップサービスのつもり?)という森さんの発言は、まさにこうした構造(男性が圧倒的に決定権を握っている、という意味での権力構造)を当たり前のこととし、助長しているものだとして、問題視されたわけです。
それを正当化するような「逆ギレ」会見や、国民にケンカを売るような「二階発言」(ボランティア辞退は瞬間的)、森さんを「余人を持って代えがたい」とした組織委員会や自民党幹部の発言が、さらに燃料投下をしたわけです。
②その批判の嵐のなかには、「正義」を振りかざすネットリンチのような動きもあったと思います。政局がらみで取り上げるマスコミや、「森叩き」に乗じる小池劇場のようなパフォーマンスは、社会問題をコンテンツとして消費する消費者民主主義と親和的で、お互いにエネルギーチャージしあっているところもあるでしょう。
ただ今回注目したいのは、この問題を「森さんの問題」としてだけではなく「私たちの問題だ」と受け止めた人たちが、可視化されてきたことです。もちろん、これまでもそういう人たちはいましたが、少数派・意識高い系などと特別視されていました。
今回は例えば、テレビ東京の大江キャスター、元オリンピアンの為末大さんなどが、黙っていること、スルーすることは容認することになる、そうやってきた結果に自分も責任を取らなければという趣旨の発言をしました。
●大江麻理子キャスター 森会長の女性蔑視発言に“異例”の言及「傍観は容認…今回は言わなければならない」(スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース
●こちらに意見を書きました。沈黙は賛同であると言われ、強く反省しています。 私はいかなる性差別にも反対します。そして、理事会での森会長の処遇の検討を求めます。
@daijapan
原理原則を守り、良い方向に変わっていける国へ | 為末大・侍オフィシャルサイト (tamesue.jp)
●森さん問題は、辞めない本人の問題というよりも、辞めさせない組織委員会、政府、今もBSに生出演して1時間くらい話しているがそうしているマスコミ、延いてはそれを許してる社会、即ち私たち自身の問題だと思う。彼が悪い、誰が悪いではなくて、私たちが当事者意識を持たないといけないと思う。@okimatsumoto (マネックス・グループCEO 松本大)
●自分が記者として聞きたいことを聞いただけです。自分の娘たちが大人になったときに「わきまえろ」と言われたら、どう思うか考え、許せる発言ではなかったので聞きました。(会見で逆ギレされた記者 @nankuru_akabeko)
ボランティア辞退者が900人を超えたと言われますが、同じような思いを持った人も少なくなかっただろうと思います。とくに地域の期待も背負っていたであろう原発事故被災地ランナーの声は、3.11から十年の今、私たちみんなが耳を傾けなければならないと思います。
●夢だった聖火ランナーを辞退した男性 「差別に声上げねば」 | ハフポスト (huffingtonpost.jp)
③オリ・パラが国際行事であることもあって、「日本の(旧い)常識」もっと言えば「永田町・経団連界隈の常識」と、世界の常識とのギャップ(もはや断絶というべきか)も如実となり、人権(ジェンダーや多様性)を無視することは国益を損ねるという、これまでなら鼻先でバカにされたような論理がメインストリートに登場しました。
●EUの駐日大使館 ハッシュタグ「DontBeSilent」で男女平等訴える / Twitter
スポンサー企業の対応も問われました。スルーする企業、五輪理念から述べる企業、さらに踏み込んで森発言についてもコメントする企業など、なかなか興味深いです。Black Lives Matterや気候変動など、社会的課題にどう向き合うかを問われることは、日本企業にとっても当たり前になってくると思います。
●森氏発言に五輪スポンサー18社からのコメント一覧 – 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)
④もうひとつ別の角度から。これも「これは私たちの問題だ」というところからの視点提起です。
●森喜朗氏叩きに思う――ゆるやかな自己主張で単なるバッシングから一歩先へ – 野菜さらだ|論座 – 朝日新聞社の言論サイト (asahi.com)
(無料閲覧の期間は限定されていると思うので、以下に趣旨を簡単に)
「正義」を振りかざすのではなく、多様性を尊重しながら違和感をどのように伝えられるだろうか?
アサーティブではない言い方(攻撃的な言い方):「なんでそんな言い方するんだよ、日本をなんだと思ってるんだ!」
アサーティブな言い方:「私は日本の国民です。日本も誇りに思っていますし、金メダルは素晴らしい業績に与えられる最高の名誉だと尊重しています。私の大事にするものを敢えて使って表現せずとも、別の言い方はないでしょうか?」
後者の表現がベストかどうかはわからないが、少なくとも二つの表現のトーンの違いはお伝えできているのではないかと思う。~略~
ここでのポイントは、「攻撃的になるのではなく」、相手に言いづらいことを伝えて、こちらの真意を分かってもらいたいというときに、「どのような言い回し、表現」ならば、それが叶えられるかを慎重に考えて、言葉を口から紡ぎ出すということである。反射的に話すのではなく、「自分の言葉が相手に及ぼす影響までよく考えて」言葉を選ぶということなのである。~略~
一つずつの発話・発言をこの思考を経て行おうとすると相当疲れる。それくらい大変な作業なのである。しかし、このやり方を駆使しないで多様性を大事にする――つまりは、違う考えを伝えあいわかりあう――ことは不可能であろう。また、どんなに気を付けて話をしても、人は100%完璧に相手に不快感を起こさせずに話すことも不可能である。~略~
この地道な作業にこれから日本社会全体で取り組んでいかなければならない。森氏失言問題はそういう大事なことも浮き彫りにしてくれたと私には見えている。
④後任選びは、グジャグジャの様相です。五輪憲章の精神をどう体現するか、という原理・原則とは無縁に巨額の利権・商業イベントをどうするか、としか考えなければ「政争の具」以下にしかならないでしょう。そこに巻き込まれずに、どんなレガシーを残せるのか。
●五輪が中止、延期になった時にそれでも、残ったものは何か、という視点を考えよう。「愚かなことをたくさんしてしまったが、アレで日本は目覚め、変わった」と言われたなら、それは最低の中の最高ではないか?分不相応な競技場だけではない、社会が変わる何かを。
常見陽平 @yoheitsunemi
まちづくりのなかにオリ・パラを位置付けてきた、熊谷・千葉市長の提起は貴重です。
●私はオリンピック・パラリンピックは単なる一過性のイベントではなく、日本社会をどのようにアップデートするかが鍵だと考えてきました。
単に海外から多くの人が訪れてスポーツで多くの人が感動する、その経済的価値やコンテンツ価値も大きいものがありますが、それだけでは巨額となったオリンピック開催経費の元は取れないと考えているためです。
そのため、私はオリンピック・パラリンピック開催都市としての行動計画を策定する際は必ず「2020年で終わりの線表を引くのではなく、2021年以降も入った線表を作り、オリパラ後に何を残せるのかを考えるように」と指示をしてきました。
以下は熊谷 俊人 | Facebook 2/12へ。
その熊谷市長が立候補を予定している千葉県知事選挙が 3月4日告示 21日投票の日程で行われます。
千葉県にお知り合いのある方に、ぜひ投票に行かれるようお声かけください。
熊谷俊人公式Webサイト | 命とくらしを守る ~経験、実行力、住民の英知で千葉を変える~ (kumagai-chiba.jp)
熊谷俊人事務所のツイッターアカウント @55baq68U3QF7tQQ
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3.11から十年 原発ゼロ、自然エネルギー100 世界会議
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福島第一原発事故から10年、原発ゼロ・自然エネルギー推進の声を
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